食物アレルギーの現状と多様性

摘要

食物アレルギーは，日本を含む先進国で増加傾向に あり.食の安全性に大きく関わっている.本稿では， 食物アレルギーの定義から.感作源ゃ感作経路の多様 性について紹介する.鶏卵や牛乳のアレルギーは乳幼 児期において発症することが多い.一方で，花粉症と 関連する.大豆などの植物性食品の食物アレルギーも 近年増加しており，これは成人になつてから発症しや すい.この場合.重篤なアレルギー症状が起こること はまれであるカ气自然に寛解することは少なく，主に 口腔粘膜のかゆみゃィガイガ感を呈する.一般的な食 物アレルギーに関しても.経皮感作という新たな感作 経路が注目を集めている.これは，経口免疫寛容と関 連が深ぐ抗原は皮膚から吸収されるとアレルゲンと なり得る力5",経口摂取した場合にはァレルギ一は抑制 されるという考え方である.近年は，アレルゲンを少 量から摂取することで食物ァレルギ一の克服を目指す 経口免疫療法も取り組まれている.