低温度かつ高速度さらに低エネルギーでの食品原料の乾燥方式に関する研究一減圧流動層を用いた乾燥技術の紹介一

摘要

乾燥操作は，水をはじめとした液体を含む湿つ た材料を加熱して材料中の液体を蒸発除去する操 作である。このため，乾燥操作では少なくとも液 体の蒸発潜熱に相当するエネルギーが必要となり， 多量のエネルギーを要するためエネルギー効率の向上が重要である。また，乾燥操作時に材料を加 熱するため，このときの材料温度によっては材料 が熱変性するという問題が起こる。特に食品原料 では加熱温度によって乾燥後の品質が大きく変化 するため，熱変性を起こしたくない場合には，熱 変性が起こらなレ"氐温度で乾燥しなければなら ない。加熱温度が高いほど乾燥速度が高くなり， 低温度では逆に乾燥速度が低くなる。生産工程 上の利点あるいは乾燥操作時の酸化や腐敗の防 止といった観点から一般に乾燥速度が高いこと が望ましい。した力5'つて，従来からの課題であ るエネルギー効率の向上に加えて低温度でありながら高速度で乾燥する方式の開発が望まれる。 本報告では，低温度，高速度かつ低エネルギ 一乾燥法として期待される減圧流動層乾燥方式 を用いた食品原料の乾燥について解説する。