カツォ由来エラスチンべプチドのヒト臨床試験について

摘要

2014年の健康食品市場規模は7,208億円（前年度比 100.2%)"にのぼり，消費者の健康食品への関心の高 さと，サプリメント等により健康を維持するといぅ概 念の浸透が窺える.一方で，科学的に効果が実証されている機能性素材 はまだまだ少ない.しかし実直に研究が進められ，徐々 にメ力二ズムが明らかとなってきている素材もある. その一つにコラーゲンぺプチドが挙げられる.コラー ゲンペプチドの摂取により，皮膚や関節の状態が改善 する等の有益な結果がヒト試験により得られてお り2'",これを説明する可能性の一つとしてコラーゲ ンペプチド経口摂取後にヒ卜の末梢血中に増加する Pro-Hypなどのジぺプチドが，線維芽細胞の増殖や 細胞外マトリックス産生を引き起こすことなどを明ら かにしている"'.細胞試験の他，動物試験によっても コラーゲンぺプチド摂取により皮膚のコラーゲンや線 維芽細胞へ影響を与えることが示されている5 —8).こ のようなコラーゲンべプチド摂取後の血中に増加する ぺプチドが活性発現に関与しているとの考え方は非常 に興味深く，我々はエラスチンべプチドについても同 様のアプローチを行い，ヒト臨床試験により血管，皮 膚，関節靭帯等への効果を検証した.