肢蹄疾患に関する論文の総指、コメント

摘要

関節傷害、蹄病を主体とする運動器疾患は，本邦の乳牛が全体的に泌乳量が増加し，それに伴う飼育形態の変化にあわせて増加したように思われる。 現在，本症による経済的損失はきわめて大きいことが広く認識されている。 また，大竹論文でも指摘されているように，これは単純な整形外科疾患ではなく一以下に述べるように生産病の範疇に入るべき疾患である。 乳牛にみられる関節炎といわれるものの多くは，大竹論文で指摘されているように，関節周囲の軟部組織の血腫, 渠液貯乱ないし化膿である。 その原因の山一つは主として蹄病に伴う立ち居振る舞いの不自由さ，横臥する時間の延長などである。 もう一つの重要な要因は，牛舎稗追ならびに飼育形態である。