さぬきうどん用小麦品種「さぬきの夢2009」 の開発経緯とブランド化

摘要

香川県農業試験場ではさぬきうどん用小麦の品種開発に取り組んでおり、「さぬきの夢2000」の 後継品種として「さぬきの夢2009」を育成した。「さぬきの夢2009」は穗長が長い穂重型品種で あるため、収量性が高い。また、グルテンの改良により、製粉、製麵適性が良好であり、うどんの 食味評価も高い。香川県では、今後、段階的に栽培面積を増やして「さぬきの夢2000」から切り 替えることとしており、県産小麦によるさぬきうどんのさらなるブランド化を図りたい。香川県におけるうどんに関する最も古い記録は、金 刀比羅宮に保存されている「金毘羅祭礼図」と呼ばれる屏風絵である。これは約300年前の元禄時代のもの で、町並みの中に三軒のうどん屋が描かれており、香 川県は古くからうどん作りが盛んでよく食べられてい たと考えられる（図1)。