環境をうつすこと——身体と環境の間・集落調査・写経

摘要

——現在、千葉県の市原湖畔美術館において「原広司：WALLPAPERS-2500年間の空間的思考をたどる（写経〉-」（2014年10月4日～12月28日）が開催されています。この展覧会は、原さんが1970年代に行ってきた世界約40カ国に及ぶ集落調査を踏まえ、そこから構築された「空間論」「様相論」を、「写経」という新たな試みで浮かび上がらせたものだと言えるでしょう。その「うつしとる」という作業が、ある意味で、今回の特集テーマである「フィールドワークとツール」の「ツール」になりうるのではないか。そこで今回は、従来的な意味でのフィールドワークから少し踏み込んで、原さんの最新の取組みである「様相を描く」というところから、まずは話をうかがっていきたいと思います。（真壁）