骨芽細胞の増殖および石灰化促進に有効な微振動刺激の条件検討

摘要

骨細胞は 1970 年代から細胞レベルで力学的刺激を感知し応答することが報告されている．さらに生化学分野の進展により1980年代から静水圧，流体流動のせん断応力，細胞マトリックスの変形などの疑似生理学的刺激下で，細胞内の力学的刺激のシグナル伝達に関して研究されてきた．しかし機械的振動の観点から細胞を扱う研究はあまりされていない．また長時間の寝たきり，宇宙飛行などに起因する骨に対する負荷不足は急速な骨量の減少や骨粗鬆症を引き起こす可能性がある．これらは迅速な治療が重要である．これらのことから，我々は骨形成もしくは再生を加速させる人為的な刺激条件の探索を行ってきた．