Results of radical nephrectomy for renal cell carcinoma. Report 1. Analysis according to the TNM staging system of the general rule for clinical and pathological studies on renal cell carcinoma

摘要

根治的腎摘除術を施行した腎細胞癌症例106例を対象とした.原発腫瘍の進展度は,T1 2例,T2 58例,T3 42例,T4 4例で進展度別5年生存率は,T1 100%,T2 67.5%,T3 49.5%,T4 0%と原発腫瘍の進展度と予後はよい相関を示した.T1では静脈浸潤,リンパ節転移,遠隔転移を認めず,T2では7%に静脈浸潤を,14%に遠隔転移を認めたが,リンパ節転移を認めた症例はなかった.T3では38%に静脈浸潤を,24%にリンパ節転移を,38%に遠隔転移を認めた.T4では静脈浸潤,リンパ節転移,遠隔転移を各々50%に認めた.根治的腎摘除術時に,静脈浸潤,リンパ節転移,遠隔転移を有した症例は,各々22例,12例下,25例で,それらの症例の実測5年生存率は,各々47%,30%,39%と,リンパ節転移,遠隔転移,静脈浸潤の順で予後不良因子と考えられた.遠隔転移を有した5例が,根治的腎摘除術後3年以上生存し,遠隔転移を有する症例にも積極的な腎摘除術が必要と考えられた