既存制度を生かして暗黙知を集める－やる気を引き出し，収集と活用のサイクルを活性化

摘要

ナレッジ·マネジメント(KM)の主たる課題は，ナレッジの「収集」と「活用」である。前回は電子化による情報共有の基盤作りと知価考案制度というナレッジ共有の概要について解説してもらった。 今回は，同制度の導入と定着への具体的取り組みを通じて，上記の課題に対する解決策を紹介する。 個人が持つ暗黙知を形式知として吸い上げ，企業の共有資産とすることで，生産性·品質向上および経営判断に活用したいとのニーズは強い。 弊所では，設計者の過去の経験，失敗例あるいは個人の持つ情報などのノウハウ（暗黙知）を蓄積·共有する制度として2001年5月に「知価考案制度」を発足させた。