基幹産業としてEUの生産拠点に成長

摘要

ハンガリーはかつてイカロス·ブランドで製造されたコメコン諸国向けバスの主要供給拠点だったことから，自動車の産業基盤がある程度整っていた。 ハンガリー投資·貿易促進公社(lTDH)によると，自動車産業の2007年の生産額は159億ユーロで，鉱工業生産全体の19.4％を占め，いまや基幹産業の一角にまで成長している。 同分野には，従業員が5,000人を超える大企業から20人未満の中小企業まで合計約630社が活動する。雇用者数は約11万人（2007年）を数える。 商用車の生産は，旧コメコン市場を失い，規模が縮小したため，現在国内で生産される自動車の大部分はスズキおよびアウディの乗用車である。 乗用車生産台数の推移をみると，アウディの生産台数が生産調整で一時的に縮小しているものの，規模は2003年の12万台超から2007年の29万台へと着実に拡大している（表1）。