打球時におけるテニスボールの衝撃特性評価

摘要

テニスは現在，試合での勝利からレクリエーションや健康維持を目的とする人まで幅広い人に親しまれているスポーツである，そのため性能のよいラケットを多くのプレイヤーが要求するようになった．しかし，ラケットの性能評価は主に使用者の主観によるため，どれがよいラケットかを一概に決める事は出来ない。 例えば,初心者は上級者に比べて，広いエリアで反発のよいラケットが必要となる．さらに，同じ技量同士でもプレイスタイルによって要求する性能は異なる。 その結果，様々なラケットを短期間で開発することが必要不可欠となってきている．また，その開発においては，要求される特性を満たすラケットを数値シミュレーションにより設計するような，工学的手法の重要性がますます大きくなっている。 しかし，その際必要となる，テニスラケットのストリングスとボールの衝突現象を連続的に観察し，詳しく調べたものはまだないと思われる。 一般に，ラケットに求められる基本的な性能は，ノヾワー，コントロール性，打球感といわれている.これらすべての性能が満足されるようなテニスラケットの最適設計の手法はまだ確立していないようである．しかし，すべての性能を満たすラケットの設計は因業箆であるが，使用者のプレイスタイルに適した性能を高めることにより，その人にとって最適なラケットとすることは可能であると思われる．そこで，本研究では実際にテニスボールをラケットのストリングスに衝突させ，ストリングス面のエリアの違いによるボールの衝撃反発·回転特性などを調べることを目的とする。