モノづくりの現場から：第30回 どんな不具合にも対応できるあらゆる技能を備えた匠－生産ラインを支えている保全マンを自らの背中でリードするスペシャリスト

摘要

昭和44年、大学受験で一浪した後、とうとう就職することとなった中村和義氏は、当時の旭工業㈱へ入社。 機械課へと配属になった。 ほどなく保全担当へ手伝いに行った折、そこの上司が中村氏の隠れた才能を見抜き、翌年保全課へ抜擢された。 そして同年、旭工業はダイハツ工業に合併されることになる。保全に入って最初に覚えたことは、溶接だった。 就業時間が過ぎてから、溶接を教えてもらいに工場内の先輩溶接工のところへ通った。 「すみません、溶接を教えてくれますか」と、おそるおそる言葉を切り出すと、その先輩は快く教えてくれた。 ガス溶接から始まり、アーク溶接、アルミ溶接、鋳物。