凍結時の鮮度が冷凍マグロ肉の品質に及ぼす影響

摘要

遠洋延縄でのマグロ類の漁獲は，生きた状態で捕獲される場合と死んだ状態で捕獲される場合があり，冷凍マグロ肉の生化学的性状を分析すると，K値ではあまり違いがわからないが，ATP残存量やpH値の測定で感知される極めて微少な初期鮮度の相違が認められる．本研究では，冷凍マグロ肉の品質の安定化に必要な冷凍保管湿度を明らかにすることを目的とし，ATP残存量やpH値を指標とする初期鮮度の相違が冷凍保管温度による品質変化にどの様な影響を及ぼすのか調べた．冷凍保管中の品質変化は，メトミオグロビン比率（メト化率），筋原線維タンパク質の変性，及び筋肉細胞の組織形態等を指標にして調べた．