心臓外科医の魂　短歌に

摘要

心臓外科医は激務であるのでしばしば心身とも疲弊（慢性）し，人生あらぬ方向へ道を踏み列す危険を伴う．これまでも私自身何度か挫折感を味わコてきた．そういったときに，私には短歌があった．短歌を始めたのは高校時代（大阪府立北野高校）である．友人に誘われて短歌作りをしたのであるが，大学時代には恥ずかしげもなく，いっぱしの歌人を気取っていた．心臓外科医になってからは歌作が少なくなってきたが，患者さんとの心の交流をモチーフに歌作りをし，自分自身の心を癒してきた．数年前ある学会の会長をしたとき，国立循環器病センター総長·北村惣ー郎先生が特別講演の中てこ自身の患省さんの短歌を披露しながら，突然「会長の大中先生は歌人ですが，これらの歌のご感想は？ 」と聞かれて汗をかいたことがあった．