農産物の安全を巡る最近の動き

摘要

食品の安全を確保するための対策は、「農場から食卓まで」と言われるように、食品の生産から消費にわたるそれぞれの段階において、必要かつ適切な措置を取る必要があります。 これは、「フードチェーン、アプローチ」と呼ばれ、先進国を中心に食品の安全を確保するための基本的な考え方として位置づけられています。 日本でも、平成15年に施行された食品安全基本法に「フードチェーン、アプローチ」の考え方が取り込まれました。 それ以前には、食品の安全は、食品衛生法に基づいて定められた規格、基準に対して、流通、販売される食品が適合するかどうかを確認することが基本で、いわば、最終製品をチェックする仕組みでした。 食品安全基本法によって、食品衛生法が適用されない生産段階における安全確保のための指導などについても、リスク管理措置として国が取り組むべき施策であることが明記されました。