海洋深層水が清酒酵母に与える影響

摘要

海洋深層水（DSWと称す）は，一般的に200m以深の太陽光が届かないところの海水を指すと言われている。 DSWは，1920年代フランスの科学者によるキューバ沖での温度差発電の検討に始まり，1980年代にはハワイにて産業資源としての研究が開始した。 我国においても昭和60年，科学技術庁が海洋深層資源の有効利用を目的にアクアマリン計画を打ち出し，室戸を始めとした地域がモデルとなった。平成元年には高知県内に海洋深層水研究所が設立され，ビジネス化に向けた研究が開始された。 深層水には，その特性として，低温安定性.富栄養性.清浄性.成分の季節変動が少ないなどがあり，特に細菌類や化学物質による汚染に晒される機会も少ないなど，その清浄性は食品分野などで利用するうえでの大きなメリットである。また，これまでの研究から，主要成分の変動率が小さいことも知られている。