うどんこ病菌の新しい分類体系

摘要

うどんこ病菌とは子のう菌門（Ascomycota）、ウドンコカビ目（Erysiphales），ウドンコカビ科（Erysiphaceae）に属する菌類の総称で、1科13属約650種（新分類体系による）より成る。 うどんこ病菌はすべて植物の生細胞に寄生する絶対寄生菌で、現在まで人工培養には成功していない。 世界で9，838種の被子植物に発生が報告されており、裸子植物、シダ類に発生したという報告はない。9，838種の宿主のうち、9，176種は双子葉植物であり、単子葉植物はわずかに662種である。 662種の単子葉植物のうち、634種はイネ科植物であり、イネ科以外の単子葉植物の宿主はわずか28種である。 すなわち、うどんこ病菌は主に被子植物の双子薬類に寄生する菌であり、単子葉植物ではイネ科のみに特異的に寄生する菌であるということができる。