2014年パ°ンデミックと化した 豚流行性下痢(PED)

摘要

PEDの原因はコロナウィルスである。PEDウイ ルス形態は多形性で，表面に長さ18approx23 nmのスパ イクを保有しており，ウィルス粒子の直径は95approx190 nm(平均130 nm)である。PEDゥィルスは4°C, pH 5approx9で安定であり，60°C, 30分IHjで不活化さ れるせ,伝染性胃腸炎（TGE)ウィルスとは異なり 52°Cではかなり安定である。PEDゥィルスはエー テル，クロ 口ホルムで不活化される。PEDウィル スの血清型は単一である。TGEゥィルスあるレ、は 豚血球凝集性脳脊髄炎ゥィルスの豚由来のコロナゥ ィルスとは蛍光抗体法などで抗原的に交差しなレ、。PEDゥィルスの分離.培養は一般的に困難であ る。当初，ウィルスは下痢発症豚の小腸内容物を子 豚に経口投与して継代されていた。豚胎仔や新生子 豚の腸管あるレゝは気管組織が器官培養として試みら れた力?，ウィルスの培養はできなかった。その後， 種々の株化細胞が試みられた結果，トリプシン添加 培養液で培養したアフリカミドリザルの腎細胞 (Vero細胞）を用いることによってウィルスの分離-培養に成功した。日本国内では,1988年に，桑原らが豚の集団下痢の事例からコロナウィルスを豚で継代することに成功し，1992年には，Kusanagiら力組織培養でのウイルス培養に成功した。その後， 1993年の北海道と1994年と1996年の鹿児島県の症 例から分離された。津田らは，1994年の分離株 (NK94P6株）がョ 一口ッパで最初に分離されたPED ウィルスのCV777株と抗原的に同一性状であること を確認した。