液卵製造段階でのサルモネラ対策自助努力により卵の安全確立を

摘要

私は昭和二十六年にキューピー㈱に入社して、当時はマヨネーズを作るのに卵を大勢で一個一個割っていた。 今ほど生産流通が整備されていなかったから、中には卵の形は良いのだが変な臭いがするものもあり、一個割っては臭いをかぐということをやっていた。 今では機械化されて一分間に六〇〇個の割卵が行える。 生産から加工、そして消費に至るまで目が回るはどの急がしさで進歩をとげてきた。 その間、私はアメリカやヨーロッパ諸国、オーストラリア、南アフリカ等の業界調査を行ってきた。ご存知のとおりアメリカ以外ではエッグボードシステムを持っている。 エッグボードのそもそもの目的としては、鶏病発生時の卵の不足を防ぐためエッグボードにより余剰時に卵を冷凍してストックしておこうというものであった。当時マレック病が世界的に流行していた。 ところがマレック病ワクチンが開発され事は一転した。 アメリカやオーストラリアでも卵は過剰生産時代となり、エッグボードは当初とは違う目的で機能するようになった。