米国、EU、日本における遺伝子組換え微生物を利用して製造された食品•食品添加物の規制

摘要

微生物を利用した食品製造の歴史は古く、微生物は今日においても変わらず私たちの食生活に欠かすことができない技術を提供してくれている。近年、こうした微生物に遺伝子組換え技術を適用する例が増えてきており、遺伝子組換え微生物を利用することにより、製品の高品質化、生産効率の向上、環境への負荷低減といったメリットが期待されている。本稿は、こうした食品製造に利用される遺伝子組換え微生物が、米国、EU、日本において現状どのように規制されているかを概観し、これら3つの国•地域の制度の比較を行うことを目指したものである。遺伝子組換え微生物を利用して製造される食品の中でも、このところ実用化例が多く見られる、最終的に遺伝子組換え微生物が除去され目的の食品成分を高純度に含む製品（以下、高度精製製品）に特に焦点を当てたい。