ポリリン酸と金属イオンによるゲル形成とその生体適合性評価

摘要

近年、ポリリン酸(PolyP)は血小板から凝固過程に おいて放出され止血に寄与し[1]、その効果は鎖長に 寄与することが報告された。このため止血材[2]や再 生医療の足場材料などへの応用が期待されるが、その 生理機能は十分に明らかではない。PolyP は金属イオ ンとの混合によりハイドロゲルを形成することや、炎 症反応に寄与することが報告されている。しかし、鎖 長100以下の低分子 PolyP において、これらの分子量 依存性を検討した例は報告されていない。そこで、本 研究では重合度100以下の PolyP を用いて、ゲル形成 能および炎症に対する鎖長の寄与を検討した。