ISO11227 のシステマティックレビュー結果と今後の対応について

摘要

自由民主党の「スペースデブリ法制に関するワーキングチーム」が８月３日に宇宙ごみの除去に向けた提言をまとめ安倍晋三首相に提出され，日本政府は年末に改定を予定している宇宙基本計画に反映される見込みである．このように宇宙ごみ問題も漸く政治の表舞台にも登場するようになってきた．九州工業大学では1997 年からこの宇宙ごみ問題に取り組み始めたが，2008 年からは宇宙ごみ関係の国際標準化にも参加するようになった． 2008 年 11 月 3 日〜5 日に米国 Exton で開催 されたISO/TC20/SC14/ODCWG (Orbital Debris Co-ordinationWorking Group ， 現在は WG7) では， 2006 年にMandeville がISO/TC20/SC14/WG6 に NWIP(NewWorking Item Proposal)として提案した「 Selection ofsurface coatings and materials for spacecraft to mitigate thegeneration of small space debris」について議論した.以後，当時IHI の北澤氏とともに Mandeville と規格案の見直しについて協議を重ね，協議内容は逐次ODCWG に報告してきた.その結果，CD(CommitteeDraft) ， DIS(Draft IS)，FDIS(Final DIS)を経て、2012年 9 月にISO11227「Space systems -- Test procedure toevaluate spacecraft material ejecta upon hypervelocityimpact」が発行した.本講演では ISO11227 の概要を述べるとともに，昨年7 月15 日から開始されたシステマチックレビューにおいて、著者がWG7 に対して提案している斜め衝突に対する実験構成の追記について紹介するとともに，12 月4 日に投票が締め切られたシステマチックレビューの結果ならびに本年６ 月にヘルシンキで開催されたISO/TC20/SC14/WG7 の報告を行う.