津波災害を想定した避難所の多様化による減災効果の検証（その２）:大分県臼杵市沿岸部を対象として

摘要

本研究では，GIS を用いて大分県臼杵市において津波災 害が発生した場合を想定し，公的指定避難所に公的?民 間施設を加えた場合の住民のアクセシビリティを検証し た。市浜小学校区は，臼杵市の全小学校区のなかでも最 も人口が多く，避難場所に公的?民間施設を加えた場合 において最も避難率が高い結果となった。臼杵小学校区 は，地域での避難に偏りがみられ，避難場所に公的?民 間施設を加えても避難困難メッシュが多数残る結果とな った。そのため臼杵小学校区のような避難困難メッシュ が残る地域では，本研究で対象とした施設以外の避難場 所の設置が必要となる。また，Case ごとに避難可能人数 をみると，Case2 やCase3 における避難率が低く。これは， 用事後避難および切迫避難による被害と考えられる。し たがって，津波浸水域外の避難目的地となりうる施設を 分散させ，避難時間の短縮を検討する必要がある。