CNT電子放出膜の有機光電変換素子への応用

摘要

本研究では、電気泳動法を用いてCNT／導電性高分子複合体を作製することに成功した。 さらに電場処理を行うことで低閾電界での電子放出を実現した。 また酸化チタンをn型層としたp-n型ヘテロ接合ハイブリッド有機太陽電池のp型有機層に、CNTをドープすることで負バイアス時の暗電流は著しく増加した。 これはCNT からn型半導体への電子放出によるものであると考えられた。 さらにその際に光照射を行うと、CNT無添加の試料よりも非常に高密度な光電流が得られることを発見した。 導電性高分子内の空間電荷に寄与すると考えられるこの現象は、有機系光電変換材料の新しい応用として期待できる。