ものづくり教育のための段ボール3D受動歩行機－設計法,歩行実験および授業の実践

摘要

本報告では，100年以上前からすでに存在する2足受動歩行玩具をもとに，加工が簡単な段ボール板によって3D受動歩行機を製作する方法を提案する．また，大学などにおけるものづくり教育用教材として利用するために，歩行機のモデルと設計指針を与え，基本的な歩行実験を通してモデルの有効性を検証する．さらに，小学生を対象とした工作教室ならびに大学生を対象とした講義を実施することで教材としての有効性を検証する．本論文の構成は以下のとおり．まず，第2章で従来研究と提案する歩行機の概要について述べ，第3章で簡単な力学に基づく歩行機の数学モデルを導出し，設計指針を与える．第4章では受動歩行機RW-P01の製作法と，小学生，大学生対象の授業について，第5章ではRW-P01の問題点を解消した新たな歩行機RW-P02の製作法，基本特性を明らかにする実験，さらに，小学生，大学生対象の授業について述べ，第6章で緒言を述べる．