日本家畜臨床学会黎明期の先達を傯hで-50年を振り返りながら-

摘要

日本家畜臨床学会の前身である東北家畜臨床研究会は今から50年前（1969年）に，福島在住で 大動物臨床の指導的立場にあった千葉喜一郎先生 の呼びかけで発足した.目的は（東北地方を中心 とした）大動物の臨床研究と診療技術の向上を目 指し，会員相互の情報交換と親睦を図ることに あった.発足から10数年間は，東北地区獣医師 会大会最終日の後に開催されたこともあつて夜遅 くまで発表が行われた.当時の逸話として，発表 者の努力と苦心の結晶を出席者に理解して貰うた め，特に優れた内容にはすぐに応用できるように と，発表時間や質疑の時間を長く取ったとのこと であった.それから50年，好奇心旺盛な多くの 年輩の会員に支えられ，和気あいあいの中，入会 間もない若い会員を叱咤激励することもしばしば 見られる光景となった.本学会は発足以来，一貫 して"研究"，"情報交換"と"人材育成"がキー ヮードとなっている.