数学的活動を促す高等学校数学B「数列」指導の実践-電話連絡網を題材として-

摘要

本研究の目的は,高等学校数学B「数列」に焦点をあて,数学的活動を促す指導のあり方を,授業実践を通して追究することである.そのために,まずは池田(2014)の算数的活動の規定を参考にし,高等学校における数学的活動を促す授業づくりの視点を「目的」「手段」「行為」「過程」の4つに設定した.そして「数列」の単元において,電話連絡網の題材を用いた授業を構想し,実践した.授業における生徒の反応,および授業後のアンケート結果から,数学的活動を促す指導への示唆として,「活動の行為を誘発するための手段があることで,生徒が数学的な構造を見出す上での手だてとなる.」「なぜそれを考えるのかといった解決の必然性を確保した問題提示をすることで,主体的な活動を促す.」の2点を挙げた.