『中等数学第一類』の一次関数を中心とした教材構成に関する研究-一次方程式の段階的な構成に焦点をぁてて

摘要

本研究の目的は,『中等数学2第一類』の一次関数を中心とした教材構成における一次方程式に関する構成の特徴とその価値を明らかにすることである.こめために,編纂者らの教材構成に関するアィデアに基づいて分析の視点を設定し,『数学1第一類』との教材構成に関する比較を通して『中等数学1第一類』,『中等数学2第一類』の分析と考察を行った.この結果,『中等数学1第一類』に逆算で解ける方程式に限定された段階,『中等数学2第一類』に一次関数を中心とした教材構成に続いて等式の性質や移項にょる方程式の形式的な処理を学ばせる段階があった.この段階的な構成の構築は,方程式の理解に配慮した構成の具体化であるとともに,グラフのょみにょる解決の近似性に直面させ,両辺に文字のある一次方程式の代数的な解決の必要性と厳密性を感得させる構成の具体化であった.この段階的な構成は,教科書の教材構成を「算術からの自然的な推移」の点から見直すため,関数指導の中で方程式をょりょく理解させるための方向性を与えている.