火力発電所向け運用高度化サービスの展開: 火力発電知見とデジタル技術の融合による遠隔監視サービス等の展開

摘要

当社火力部門では、これまでの火力発電事業の中で、発電機の出力、蒸気や燃料の温度·圧力·流量といったプラント運転データ等の「構造化データ」や保守·修繕記録、事業経験の中で培ったノウハウ集やマニュアル等の「非構造化データ」を大量に蓄積してきた。これらのデータは単に蓄積·保有するだけでなく、体系的に整理し、有効な活用方法を見出して開発·実装することでプラント運用の更なる高度化を可能とするものである。当社はこれら各種データとAI·IoTなどのデジタル技術を融合させることで、既存事業における更なる収益基盤強化や事業領域の拡大、新たなサービス·商品の開発を行い、ユーザーに提供する「価値」を高めていくことを目指している（第1図）。本稿では、提供する「価値」を高めるべく当社が行っている取組みの中で、遠隔監視サービスおよびAIを活用したソリューション開発について紹介する。