独自の製鉄技術を目指して

摘要

この10年の鉄鋼環境は激動の時代であり，過剰設備の集約／合理化推進，資源会社の統合，需要家の再編，鉄鋼メーカーの統合·提携など世界規模で動きが活発化し，直近ではMittalによるArcelor統合が話題となった．国内ではバブル景気崩壊後の低迷期に安価原燃料使用技術（伯から豪州へのシフトに加え，豪州劣質原料の多量使用，微粉炭多量吹込みなど），資源リサイクル技術（廃プラスチック，廃タイヤ，ダスト処理など），省エネルギー技術（自動化，排熱回収ほか），合理化等を徹底して推進しつつ，高炉の大型化を進めたことで，昨今の中国景気や海外鉄鋼需要の増大にも対処でき，高炉においては高生産操業を継続中である．しかし，CO{sub}2削減などの環境問題については課題が多い．ここでは，製鉄を取り巻く環境と課題を示し，これまでの開発状況と今後取り組むべき課題と対策について述べる．