乾燥肌における微生物発酵ヒアルロン酸含有食品の経口摂取による改善効果

摘要

ヒアルロン酸の構造は，N－アセチルーD－グルコサミンとD－グルクロン酸の2糖が直鎖状に交互に結合した高分子のムコ多糖類であり（図1），生体内では皮膚，関節液，血管，血清，脳，軟骨，臍帯などのあらゆる臓器や結合組織に存在している。体内で最も多く存在しているのは皮膚であり，その含量は，体全体に含まれる量の50％を占めていると報告されている。皮膚におけるヒアルロン酸の機能は，その高い保水性による細胞間際の構造的維持や皮膚の保水性の維持，および上層細胞への栄養物の輸送と老廃物の排泄と言われている。しかし，その一方で皮膚に含まれるヒアルロン酸は加齢とともに減少していくとの報告もあり，加齢に伴う皮膚の保水力や弾力の低下，シワの増加といった現象には，ヒアルロン酸の減少がかかわっているのではないかと考えられている。そこで現在では化粧品や食品から，ヒアルロン酸を補い，肌の健康を保持するという考えが一般的に広く認識されている。