多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植4年後に発症したHodgkin病

摘要

多発性骨髄腫に対して自家末梢血幹細胞移植（PBSCT）を施行して4年後にHodgkin病を発症した症例を報告した。症例は67歳の日本人男性で，1994年6月カルボプラチン，エトポシド，シクロフォスファミドの前処置でIgA－A型多発性骨髄腫に対して初回のPBSCTを施行し，部分寛解に到達1995年1月メルファラン大量療法の前処置で2回目のPBSCTを施行し，完全寛解に到達，1998年10月左頚部リンパ節腫脹に気付いた。 リンパ節生検ではHodgkin病，混合細胞型と診断された。 免疫組織化学的検査でHodg－kin細胞とReed－Sternberg細胞はCD 30陽性，EBV－RNA （EBER） in situ hybridizationは陽性であった。 免疫固定法で血清中や尿中にM成分は認められず，骨髄中の形質細胞の増加は見られず，多発性骨髄腫の再発を示す所見は無かった。 MOPP療法とABVD療法の交代療法にて2000年5月CRに到達した。