国内産パン用小麦「せときらら」の パン加工における機能性の追求

摘要

2000年初頭に入ると，北海道の生産者並びに農業試 験場をはじめとする各研究機関による開発が進み.国 内産パン用小麦の品種改良と作付けが改善される.そ の結果，ある程度安定した国内産パン用小麦の収量と 製パン性力5劇的に向上した.2005年には「ハルユタカ」 の孫にあたる「春よ恋丄北海道品種とハンガリー品種 を父母に持つ秋まき小麦「キタノ力オリ」などのパン 用強力小麦が登場する.また.2008年にはキタノカオ リを父に持つ超強力小麦「ゆめちから」が開発され， その実用化に至る.これを機に北海道で育種された小 麦が全国的に作付け、栽培されるようになり，各地で 国内産パン用小麦の育種が盛hになる.事実，現在の 国内産パン用小麦粉はいずれも約30年前に誕生した国 内産パン用強力粉「ハルユタカ」に比べ,1)収量の増加. 2)病害耐性（赤かび，穂発芽など）の向上，3)タン パク量の増加と質の向上などの点ではるかに凌駕して いる.さらに2013年には一部の大手ベーカリーによつ て「ゆめちから」ブランドの食パンや食卓ロールなど がつくられ.大型スーパーなど量販店のパン棚を賑わ すこととなった.その結果，「ゆめちから」を筆頭に， 国内産パン用小麦に関する一般消費者の認識が高まる こととなった.1-4)