積算温度を指標としたコマツナの 遠赤外線乾燥における品質変化の評価

摘要

コマツナを試料として，遠赤外線乾燥および熱風乾燥 における乾燥速度および品質変化の温度依存性について 検討し，以下の知見を得た。含水率変化はいずれの乾燥条件においても指数モデルで表され，乾燥速度定数hにArrhenius型の温 度依存性があることが示された。L-ァスコルビン酸残存率は積算温度4.1x102°C - h 近傍に境界点がみられ，積算温度がそれ以上となる 乾燥条件では分解を抑制した。色彩変化は葉面の積算温度が小さいほど変化量が 小さいことが示され，乾燥に伴う黄化はクロロフィ ルa, bの大幅な減少が主要因であることが示唆さ れた。温度と時間の2つのパラメータを同時に考慮でき る積算温度を品質評価の指標とすることにより，最 適乾燥条件の検討の際に有用となる可能性が示唆さ れた。