水耕栽培における施肥法および培地の差異が毛馬，キュゥリ(Cucumis sativus L. cv. Kema)の 苦味発現および品質に及ぼす影響

摘要

苦味が弱い'毛馬'キユウリの栽培法を確立するため， 養液栽培において施肥法および培地の差異が'毛馬'キ ユウリの苦味究現および品質に及ぼす影響について検討 した。養液栽培において，無機肥料のみを施した'毛馬'キ ユウリ果実は，有機肥料のみを施した'毛馬'キユウリ果実よりも苦味が強かった。また，湛液型養液栽培を行 つた'毛馬'キユウリ果実は，固形培地を支持体とする フィールド養液栽培を行った'毛馬'キユウリ果実より も苦味が強かった。收量は，無機肥料単用でフィールド 養液栽培をすると最も多く，次いで，湛液型養液栽培で あり，有機肥料と無機肥料を併用しフィールド養液栽培 をすると最も少なかった。また，果実中の総フエノール 含量は，有機肥料単用の湛液型養液栽培で最も低く，無 機肥料単用の湛液型養液栽培で最も高かつた。果実中の硝酸ィォン濃度は，有機肥料単用の湛液型養液栽培で最 も低く，無機肥料単用の湛液型養液栽培で最も高かった。 以上の結果から，苦味の弱い'毛馬'キユウリを栽培 するためには，無機肥料単用より有機肥料単用が望まし く，また，無機肥料単用においては湛液型養液栽培より フィールド養液栽培することが望ましいことを明らかに した。