薬用作物を巡る事情と研究開発の現状（下)

摘要

前号では，薬用作物を巡る事情と農研機構に おける薬用作物の研究について紹介した力5',本 号では具体的な研究開発への取り組みについて 紹介したい。現在，農林水産省による委託プロジュタト研 究「薬用作物の国内生産拡大に向けた技術の開発」（2016年度から2020年度）が進行している。 これは薬用作物を研究対象とした農林水産省で 初めてのプロジュクト研究であり，厚生労働省からも具体的な成果が期待されている。このプ ロジュクト研究は農研機構を中心に，医薬基 盤、健康、栄養研究所，県の公設農業試験場、研究所が13機関，大学が5機関，民間が2機関 でコンソーシアムを構成し，全国を研究'実証 試験のフィールドにしている。研究対象は実需 者から国産化ニーズの高い薬用作物トウキ，ミ シマサイコ，カンゾゥ，ォタネニンジン，シャ クャクの5品目に限定し，それぞれチーム目標を定めている（表1，2)。