BMPによる骨形成の制御

摘要

BMP－2,BMP－4の分子量は30 KD前後の中性蛋白である。 滴性型分子はホモ2量体を形成して生物活性を発揮する。 その分子内にcystine－knot構造があり，2量体分子合体の構造は極めて安定している。 たとえば90度，1時間の熱処理でも生物消性は保たれる。 BMPは標的細胞の細胞膜上に存在するⅠ型とⅡ型の2種類のセリン／スレオニン型受容体（BMPR－I，BMPR－Ⅱ）を介してそのシグナルを細胞内に伝達する。 BMPがⅡ型さらにⅠ型受容体と結合し複合体を形成すると，Ⅰ型受容体によって細胞内伝達物質であるSmadのリン酸化がおこる。 現在までに晴乳類では8種類のSmadが同定されており，その役割によって特異型Smad，共有型Smad，抑制型Smadに分類されている。 BMPの結合により活性化されたⅠ型受容体により，特異型SmadであるSmadl／5／8がリン酸化され，共石型SmadであるSmad4と複合体を形成し細胞質から核内に移行する。 Smadの複合体は核内でさまざまな転写因子と結合，あるいは直接的にDNAと結合することによりBMP標的遺伝子の転写を活性化するとされている（図1）。