労働集約型サービス産業における屋内測位技術の適用－外食産業を例として

摘要

先進国の産業構造は経済の成熟化に伴いモノ作りからサービス産業へとシフトしており，例えばアメリカでは約80%，日本ではGDPの約75%がサービス産業を占める．一方，サービス産業の労働生産性は製造業と比較して低位であるため，サービス経済化に伴い国の労働生産性が低下するというジレンマに陥っており．同産業の労働生産性向上は先進国にとって喫緊の課題となっている．サービス産業の1典型である労働集約型サービス産業は無形財であるサービスを人が生産するため，サービス提供者の作業効率改善が労働生産性向上にとって重要な手段である．労働集約型サービス産業は屋内でサービスを提供することが多く，GPSによる測位が困難であるため，屋内測位技術の導入による生産性向上が期待できる．本稿では，労働集約型サービス産業の1典型である外食産業を例に，屋内測位技術の導入による生産性向上への取り組み事例につい概説する．