失敗しない産業用ロボット導入の心得 第1回 産業用ロボット導入に失敗する会社が続出！（上）

摘要

初めに、本連載を開始する契機となった当社の実績を紹介したい。当社は、産業用ロボットの初心者でも筒単にロボットを導入できるようにするためのソフトウェアの販売·サポートを手がけている。実績は多数あるが、本誌に合わせて金型に関する1例をあげる。会社名は明かせないが、金型に発生した摩耗に対して、補修作業のロボット化を実現した中小企業の事例である。「ロボットを導入したのだから、人が行っていた作業をロボット化できて当然」と考えられている方が多いと思うが、ロボットを導入すれば生産効率アップ·省人化を実現できるかというと、決してそうではない。それどころか、成功は稀と言っても過言ではない。しかも、この企業はロボットを導入するには2つの問題をかかえていた。1つ目はロボットの運用経験がまったくない。2つ目は金型なので当然だが、少量多品種どころか一品一様の受注生産である。なぜ、これらが問題なのだろうか。