レーザー粉体肉盛りにより形成した硬化層の機械·切削特性

摘要

堆積加工の際に前加工の切削油剤がレーザー照射部に付着していると、スパッタの発生やブローホールなどの内部欠陥の発生につながる。このため、切削加工時には油剤を使用しないドライ切削が望まれる。しかしレーザー粉体肉盛りによる堆積層のドライ切削特性に関する報告は見られない。筆者らは、レーザー粉体肉盛り溶接の機械部品への適用分野の拡大を目的に、鉄鋼材料上へ高硬度の肉盛り層を形成し評価試験を行ってきた。低合金鋼坂上へ高速度工具鋼粉末により1，000HVの硬化層を形成しその特性を報告した。機械部品は勒性を要求されるものも多く、600HV程度の硬さで所定の靭性を有する堆積層が求められる場合がある。そこで本稿では、低炭素のマルテンサイト系ステンレス鋼粉末により堆積層を形成し、ドライ環境下での切削加工の可能性を調査した。