古いNCマシンを高速NCマシンなみに生かす「低速高送り加工」の基礎と事例

摘要

低速高送り加工が平成14年4月に日刊工業新聞で発表されてから2年が経過した。 この加工工法は高速高送り加工と違い、低速回転で切削工具を回転させるが、削り深さはやや深く切込み、1刃切削量が5～10倍大きいため（写真1参照）、低速高送り用エンドミルを使用することにより、高速NCマシンに負けない切りくず排出量が得られる。 図1に切削送り速度を一定値として、周速（回転数）のみを変化させたときの工具寿命の変化の事例を示す。周速200m、工具回転数663rpm、切削送り速度F1724で加工すると工具寿命はわずか48分だが、切削送り速度F1724を一走に保ち、周速120m、回転数398rpmまで下げていくと、工具寿命はぐhぐhと延び、6時間30分と飛躍的に延びる。 この点に着眼したのが　 低速高送り加工である。