硬脆材料の超精密加工を可能とする超精密旋盤の開発とガラスの延性モード切削への応用に関する研究

摘要

ガラスレンズの場合では，球面レンズは伝統的な研磨，非球面レンズはモールド成形が主流である．ガラスレンズの加工方法も延性モード切削技術が確立すると，金属鏡などと同様に超精密延性モード切削に移行すると考える．また，従来からの回転運動と円弧運動を組み合わせる研磨方法では非球面レンズに代表される自由曲面形状には対応不可能である．運動転写加工である超精密切削加工は，CNCプログラムによって金型不要な自由曲面形状が加工可能である．以上より，硬脆材料の超精密延性モード切削加工はガラスに代表される硬脆材料の新たな加工方法として期待できる．特に，デジタルカメラや携帯型情報端末のようにモデルチェンジの周期が短く，開発や試作等の時間に短縮が求められている商品の試作など少量生産には，金型が不要で非球面形状を創成できるCNC超精密加工機によるガラスの延性モード切削は有効な加工方法と考える．