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乳業用乳酸菌Lactococcus lactisのプラスミド育種改良法の開発と乳発酵特性変異の解明に関する研究

机译:乳乳酸菌乳酸乳球菌质粒育种改良方法的研究及乳发酵特性变异的阐明

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摘要

乳製品製造に汎用されているLactococcus lactisの遺伝子構成は,2Mb程度の小型の染色体遺伝子と,複数のプラスミド遺伝子を細胞内に保有することが特徴的である。L. lactisのプラスミドは,ごく一部の例外を除いてβ-複製型プラスミドであり,乳発酵に必須な形質をコードする場合が多く,ラクトース資化,プロティナーゼ活性,クエン酸取込み,ファージ耐性,バクテリオシン生産,粘性物質生産などの形質に関与する。L. lactisの内在プラスミドの種類や組合せは菌株ごとに異なり,菌株特異的な表現型を決定する。L. lactisの分離原は乳製品,生乳,漬物,生草など多岐にわたり,プラスミド構成を変えながら生育環境に適応していると考えられる。中には細胞内に10種類程度のプラスミドを保有する株もあり,機能が特定されていないプラスミドも多く残されている。プラスミドの機能解析は,通常まずプラスミド除去株を作出し,変異株の表現形質と親株の表現形質を比較して研究の端緒とする。従って,除去するプラスミドを任意にコントロールすることができれば,プラスミド上の遺伝子機能や関係する表現形質を効率良く推定することができる。また,必要不可欠なプラスミドを損なわずに,1種類のプラスミドを除去する方法は,発酵産業に利用可能な実用菌株の改良にも利用できる。第1章では,宿主DNAにランダムに作用する変異剤処理などを行わず,複数の内在プラスミドのうち1種類のプラスミドを選択的に除去し,親株と発酵特性の異なる新菌株を作出する方法,即ち,任意のthetaプラスミドの複製単位をin vitroで再構成し,不和合性プラスミド(競合プラスミド)によるtheta-プラスミド選択的除去法を開発した。本法は,1)複製単位の再構成に共通して用いることのできるプラスミドベクター(pDB1)の作成,2)任意のL.lactis thetaプラスミドの不和合性配列を増幅しうるPCRプライマーペア(VF3-VF4)の設計,3)in vitroでの不和合性プラスミドの再構成と,L. lactis wild typeプラスミドの除去操作,からなる。この方法で作出した変異株は,細胞内に外来遺伝子を保有せず,また発酵に不都合な遺伝変異も起こっていないと考えられるため,食品加工用のスターターに利用できる。そこで第2章では本法を用いたL.lactisプラスミド変異株の育種例2例について記述した。1例日としては,前段L.lactis DRC1に内在し,宿主の増殖速度を抑制するプラスミドの発見と,その解析について述べ,続いてプラスミドの選択的除去法を用い,当該プラスミドを除去することで親株より増殖速度の早いプラスミド変異株を作出したことを上げた。また2例日としては,L. I. lactis bioval. diacetylactis N7からクエン酸透過性プラスミドを選択的に除去し,クエン酸の代謝産物であるジアセチルの生成能を失わせたフレーバー変異株育種の試みについて記述し,作出したプラスミド変異株の乱発酵スターターとしての能力について考察した。 第3章には,プラスミドの選択的除去で見出された新しいプラスミド性因子の解析例「宿主遺伝子の安定化に働くプラスミドの発見」についてまとめた。 L. lactis subsp. cremoris NIAI712は,乳発酵スターター乳酸菌のプロトタイプとして,世界中で広く研究に用いられているL. lactis NCDO712の派生株である。L. lactis NIAI712は,5種類のプラスミドを有し,そのうち約9kbのプラスミドpAG6はコピー数も多く,非常に安定である。それゆえ従来のプラスミド除去法では欠失されず,その機能は調べられていなかった。そこで開発したプラスミドの選択的除去方法を試みたところ,効率よくpAG6除去株(712 DELTA pAG6)が得られた。712A pAG6の乱発酵能を調べたところ,乳中での増殖能および乳酸生成能が親株よりも著しく劣っていた。712ApAG6と親株からゲノム遺伝子を抽出し,その制限分解パターンを比較したところ,PAG6の除去に伴って,短期間のうちに遺伝子組み換えによる変異が起こることが明らかとなった。さらにこのゲノム変異によって,カゼイン分解物の取り込みに働く一連の遺伝子群opp-pepOが,例外なく消失していることを突き止め,発酵遅延の主原因であると結論した。pAG6には,宿主DNAのメチル化配列を決定する因子がコードされていた。遺伝子プロモーター近傍のDNAのメチル化状態が,遺伝子の転写活性に影響することは周知の事実である。特に遺伝子の転移を仲介するトランスポゾンの転移酵素遺伝子tnpの転写減衰はよく知られている。それゆえpAG6の除去操作中,すなわち,pAG6と競合プラスミドが同一細胞中に共存する状態でわゆの転写活性が上昇するのではないかと予想した。そこで,pAG6と競合プラスミドが共存する変異株を作成し,わゆ転写活性を解析した。その結果,競合プラスミドの共存によってpAG6の複製が不安定になっている最中には,ある種のわゆの発現量が特異的に上昇することを明らかにした。L. lactisのプラスミドが,共存する他のプラスミドヤクロモゾームなど宿主のゲノム構造の安定化に働く現象は,本研究で明らかにされた新規な知見である。宿主は細胞内でpAG6を安定に保持することで,ゲノム遺伝子のメチル化状態を正常に保ち,ゲノム内トランスポゾンなど可動性遺伝因子の転移活性を小さくし,ゲノム構造や菌株特異的なプラスミド構成を維持するのかもしれない。L. lactisにおいて,DNAメチル化による転写制御の研究はごく少ない。本研究で作出した変異株が,メチル化と菌株特異的な遺伝子発現との関連を解析するモデル菌株になるのではないかと期待している。
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