小学校3年生における1 とみる見方の指導に関する一考察-1 あたりとみる大きさを考える問題を題材に一

摘要

本稿の目的は,割合指導の素地にあたる,1とみる見方を用いて問題を解決することに価値を見出し,授業時の児童の思考の様相を探ることで,指導ヘの示唆を得ることにある.そのため,授業で「1あたりを示さず,更に1 とみる大きさを考えなければならない問題」を提示し,子どもたちが1 とみる大きさをどのょうに捉えていったかを顕在化するために,「パック」という用語を入れると共に,図にょる解決の仕方に焦点を当て,思考の様相を探った. この結果,半分は単位として捉えられることが分かった.しかし,その捉え方には,図,もしくは式の双方を根拠にしている場合が混在していた. また,単位として半分を捉えた場合,っまり基準を変えた場合の全体量の捉え方にっいても,全体量を図に全て表すことで累加的に捉える場合と,単位だけ捉えれば,全体量との関係を式で捉える場合の双方が混在していた.これらのことから,指導ヘの示唆としては次のことがあげられる. 2っの数量を組で捉え,都合のょい数量を1とみる活動を機会がある毎に取り扱っていくこと.数量の対応関係や,比例に繋がる構造を視覚的にしっっ,対応関係を明示していくこと.