銘刀関の孫六との出会い

摘要

我が家の仏壇には，幾つかの古い位牌があり，その中で最も古いものには，元禄十五年の日付がある。 冈皇迥陿O月中の四日...」は講談の文句で,赤穂浪士討ち入りの年である。 この時義士の面々は，関の孫六を携えて戦ったが，この刀は折れず曲がらずよく切れる銘刀である。 話は変わって元の我が家は，江戸時代からのもので古くて不便なので，ある年これを建て替えることにした。 その時蔵を整理していると，一振りの刀が見つかったが，何とそれは関の孫六であった。 念のため関の孫六は通称で，正式の銘は兼元である。 我が家の刀の銘を図1に示す。 所で銘は同じ兼元でも書体によって第何代かわかるそうで図1は第2代らしく，これは上記の義士討ち入りの時代と一致する。 これが私と銘刀との出会いであって,これが私の人生を変えたのである。