火力発電所排水処理場におけるファジィ調節計を適用した最適pH制御

摘要

火力発電所は，冷却水·洗浄水など，さまざまな用途で多量の水を使用している。これらは，排水処理設備に集水され必要な環境対策処理を経て所外に放流されている。 この処理の中で排水pHの調整（中和）は，特に重要な項目である。 一般的にpH制御は，pH中和滴定反応の非線形性および制御プロセス値の反応検出遅れという従来の定値PIDフィードバック(FB)制御アルゴリズム適用上の大きな課題を有している。 加えて，被処理排水（原水）のpH値が急速に大きく変化する場合は，さらに困難な制御環境条件になる。 この条件下でのpH制御は，最早，従来の延長ではなく「新しい制御アルゴリズムの適用導入」が必要であるとの見解から，今回，ファジィ制御理論を骨格とした新しいpH制御システムを導入し，所定の成果が得られた。本稿はこれらの新しい制御アルゴリズムの紹介および制御結果を報告するものである。