医療の質奨励賞の有效活用--医療ミスの撲滅と医療機関の発展をめざして

摘要

近年の医学と科学技術の著しい進歩により寿命が飛躍的に延びている一方，医療ミスなどが社会問題化し，医療の安全と信頼を高めるための道筋が探られている。 このような状況下，医療機関がより適正な医療の提供を通じて，患者をはじめその家族の満足を積極的に獲得していく「診療の質」が問われており，診療の支援業務を含めて「業務の質」を改善し，業務をより確実で効率的にすることが必要になっている。また，診療の過程において，シングルユース製品の大量な使用と廃棄など，今まで経験しなかった資源と環境に関する新たな課題が出現し，医療機関における「社会的質」の重要性が一段と高まっている。 医療機関が質重視の医療経営を進め，医療の質マネジメントにおける診療の質，業務の質，社会的質など，経営効率を含めてあらゆる質を総合的に管理·向上していくことは，わが国の健全な社会基盤づくりに大きく貢献するものと考えられる。