心臟移植後の免疫抑制療法

摘要

心臓移植が1967年に世界で初めて施行された当初：は，ステロイド製剤の単剤使用，またはazathioprine (AZP)ゃ抗リンパ球抗体との併用が中心であつたが， 感染症，移植後冠動脈病変の頻度が高く，1年生存率は43%であった。1973年にラビット抗胸腺細胞グロブリン（RATG)が導入され，1年生存率は60%に増加したが依然成績は不良で，心臓移植を行う施設は数施設'に限られていた。しカゝし，すでに腎移植で2年間臨床応用されていた1980年にcyclosporin (CSA)が心臓移植に導入され，心臓移植の成績は急激に向上し，世界各国で心臓移植が行われるようになつた。CSAの登場によって臓器移植の成績が向上したのは，拒絶反応の制御力《容易になったのと同時に，感染症，特に肺炎による死亡率が減少したことが：kきい。