光学式指紋認証装置に搭載することを目的とした透明化生体検知センサの検討

摘要

近年，生体認証技術がそのセキュリティ強度と利便性の高さから普及している．しかしながら，他者の生体情報を模擬した物理的偽装物を用いた「なりすまし」による被害が懸念されている．セキュリティ強化のためには，このような攻撃に対し偽装物を検知可能な生体検知センサの開発が必要である．先行研究では，媒質近接時に特性が大きく変化するCSRR構造を適用した帯域通過フィルタ（CSRR-BPF）が生体検知センサとして提案されている．一方で生体検知センサは指紋認証センサと統合が容易である構造が望ましい．そこで，本稿ではCSRR-BPFを透明性を有する導電膜での作製を想定した生体検知センサによる生体検知特性の検討を行い，実験的検討のためにセンサを固定する設計治具の設計を行ったので報告する．