喜多源逸と京都学派の学風の形成

摘要

喜多源逸（1883-1952）は京都帝国大学工学部に在任中（1916－1943），工業化学における「京都学派」と呼ばれる学派を創始し，独自の学風を植え付けた．この学派から二人のノーベル化学賞受賞者（福井謙一·野依良治）を含む多くの逸材が輩出したことは周知の通りである．本発表では，喜多と京都学派の学風の形成を，彼の初期の教育観および理化学研究所との関わりから考察する．